コーヒーの品質を決める要素のひとつが焙煎前の“生豆”です。ほとんどの輸入豆が麻袋に詰められて入荷します。コーヒー原産国は、赤道を挟んで南北25度の緯度に位置する“コーヒーベルト”と呼ばれる中にあり、中南米は“ブラジル”“コロンビア”、アフリカは“エチオピア”、アジアでは“ベトナム”“インドネシア”が有名です。原産国固有のデザインが施された麻袋には、およそ40万粒のコーヒー生豆が入っています。

まずは「麻袋開袋装置」を使用し、大量の生豆を麻袋から取り出します。薄い皮（シルバースキン）に覆われ固く引き締まった生豆が姿を現します。生豆は、ベルトコンベアを通って「石抜き装置（写真）」でコーヒー豆とそれ以外のモノに選別されます。石抜き装置の役割は、コーヒー豆を比重で識別し農産物由来の小石や砂粒などの異物を取り除くことにあります。これは米など穀物の異物除去にも使われている識別技術です。

生豆の質と並んでコーヒーの品質を左右するのが「焙煎」です。当社では、ドイツ製を中心に国産機も含め、計6機の焙煎機を保有しています。お客様のリクエストに応じて、製品ニーズに見合った焙煎機を使用しています。また、各焙煎機には専任のオペレーターが就き、焙煎の一連の流れを管理しています。正確なオペレーションと職人的な感覚が重要な工程です。煎り上がりのタイミングを秒単位で見極めます。

木炭を燃料にした「炭焼焙煎機」を2機設置。炭火独特の柔らかな照り熱は、豆の表面をかたく引き締め旨味を内部に閉じ込めます。その状態から豆の中心にじんわりと火が通るため、ふんわりと膨らんだ焙煎豆に仕上がります。また、炭火の発する遠赤外線によって生まれる上品なコクと風味は根強い人気です。しかし、品質の良い焼き上がりを見極めるために数値のモノサシを当てることが難しいため、専任オペレーターの五感言わば焙煎職人の“匠の技”が活かされます。

焙煎されたコーヒー豆にお湯を注いで液体抽出するためにはコーヒー豆を砕いて粉にする必要があります。この粉砕工程には写真のような「粉砕機（コーヒーミル）」を使用します。焙煎豆の粉砕度合・・・つまり挽き具合は、粗挽き・中挽き・細挽きの大きく分けて三つに分類されますが、人気のエスプレッソコーヒーを淹れる際には極細挽きと呼ばれる粉砕製法を用いる場合もあります。

業務用のコーヒー豆（粉）を充填包装。約20kg入る紙袋にコーヒーを充填するラインは「ロボット充填包装機」と呼ばれています。一方、約300kgものコーヒーを充填するラインを「フレコン充填設備」と呼んでいます。

コーヒーショップや量販店、ギフト向けなど様々なニーズに応じてパッキングの形態も変化します。当社では各種「包装機」を備えることであらゆる包装形態に対応することができます。もちろん製品レベルの異物混入防止対策や品質保持対策も万全です。
【以下主な対策機器】
●焙煎原料の空気輸送　●金属検出器
●エックス線異物検出器　●ウェイトチェッカー
●窒素ガス充填装置　●数量カウント式集積装置